その人のことはよく覚えている。韓国人留学生の李秀賢（イ・スヒョン）さん。カメラマンの関根史郎さんと二人で、2001年の1月にJR新大久保駅であやまって線路に転落した人を助けようとして亡くなった。おりにふれて思い返し、人間の生き方のようなものを考えさせられた。

▶李さんは当時26歳、関根さんは47歳。死んだら悲しむ人も困る人もいるに違いないのに、見ず知らずの人の命を救おうと飛び降りたとっさの勇気を、自分はどう見習えばいいのか、考え込んだ。そんな問いを、友人と深夜まで話し合ったのが昨日のことのように思い出される。以来、二人の姿は日々の基層にずっとあった。

▶訪韓した石破首相が釜山の李さんの墓を訪れたそうだ。両国の架け橋として政府にとっても忘れ得ぬ人だろう。両親は寄せられた見舞金をもとに日本で学ぶアジアの語学留学生を支援する奨学金を創設。李さんの頭文字を冠したLSHアジア奨学会のホームページによると、奨学金を贈られた留学生は1200人を超える。

▶「秀賢を覚えている人がいる限り、秀賢は生きている」という電子書籍を読み、李さんが韓日貿易に携わりたいと思っていたことや関根さんの母親が見舞金を障害者施設に寄付したことも改めて知った。二人の魂の、人を善いものに向ける力はいまも生きていると思う。石破さんもそんなことを思っての墓参だったろうか。
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　覚えている。この事故のことは、覚えている。

　ただ、忘れかけていた、というのが事実、正直なところ。

＞ 見ず知らずの人の命を救おうと飛び降りたとっさの勇気を、自分はどう見習えばいいのか、考え込んだ。
＞ そんな問いを、友人と深夜まで話し合ったのが昨日のことのように思い出される。

　この手の話を、根詰めて考え過ぎ、深みにはまってしまうことは、精神衛生上、あまり良くはないが、それでも、酒を飲みながらでいいから、友人・知人と、議論する、考えてみる、語り合ってみる、とゆーコトは、けっして無駄な作業ではないだろう。

　答えを導き出せることはないだろう。
　自分の無力さを痛感し、落ち込むだけ、かもしれない。

　だが、それで、いい。
　

＞ 訪韓した石破首相が釜山の李さんの墓を訪れた

　うむ、とても良い行動であった。率直に、肯定的に評価できる。
　

　我々日本人に出来ることは、彼のことを忘れない、ということだ。

　それしか出来ないのが歯がゆいが、彼の勇気ある行動に対する、最大限の感謝、尊敬の証として、忘れない、という行いを続けていこう。
　
　
　しまった！
　３月に東京へ行ったとき、ここへ立ち寄るべきであった。

　次回、東京へ行くことがあったら、必ず立ち寄ることとしたい。。。


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